かつてインターネットを席巻した「おもしろフラッシュ倉庫」を覚えていますか?
この言葉を聞いて懐かしさを覚える方は、インターネット黎明期を共に過ごした仲間です。
私が小学生の頃、友達の家に遊びに行った際、年上のお兄ちゃんが教えてくれたのが「おもしろフラッシュ倉庫」でした。
当時はインターネットで動画を見る手段が限られており、Flash動画はその最前線にありました。
現在のYouTubeやニコニコ動画のような大規模な動画プラットフォームが登場する前、Flash動画はオンラインエンターテイメントの中心でした。
目次
Flash黄金時代のおもしろフラッシュ倉庫
「Flash動画」とは、Adobe Flashを用いて作られた動画コンテンツのことを指します。
特に1998年から2002年にかけては、インターネット上で爆発的な人気を誇り、多くのクリエイターがオリジナルの作品を発表していました。
当時、特に有名だったクリエイターとして「ポエ山」や「wasabi」といった名前が挙げられます。
彼らの作品は、コミカルなものからシュールなものまで幅広く、多くのネットユーザーを魅了しました。
しかし、時代の変化とともにFlash動画は衰退しました。
著作権の問題や新たな動画共有プラットフォームの台頭により、Flashコンテンツは次第に姿を消していったのです。

出典:togetter
Flash動画といえば、特定のキャラクターをテーマにした作品が数多く存在しました。
特にドラえもんやサザエさんといった国民的アニメを題材にしたものが人気を博しました。
ドラえもん関連のFlash動画
ドラえもんをテーマにしたFlash動画は非常に多く、その親しみやすさから幅広い層に支持されました。
代表的な作品には次のようなものがあります。
ドラえもんの絵描き歌
ドラえもんの絵描き歌をベースにした作品で、「おっこちててー」といったフレーズが特徴的でした。
ドラミちゃんの「ダイナマイト」
オチがよく分からないながらもクセになる作品。
おびたのわさび
独特の雰囲気があり、何度も見てしまう不思議な魅力。
飛びだしゃ
飛び出して車に轢かれて「あイテテー」で済む動画です。
DORAEMOOOON!
外国の楽曲の空耳を利用した作品で、「DORAEMOOOON!」と聞こえる部分が話題になった動画です。
サザエさんのFlash動画
サザエさんをモチーフにしたFlash動画は、ホラー要素を加えたユニークな作品が多く、視聴者を驚かせました。
高速サザエさん
エンディング映像のスピードを変えた作品で、疾走感が魅力的でした。
タラちゃん神になる
デスノートをモチーフにしたパロディ作品で、現在でもネットミームとして時折目にします。
残酷なサザエさん死闘編
劇画風の作画が特徴的で、BGMとテロップのセンスが光る作品でした。
棒人間シリーズ
異様にカッコイイ動きをする棒人間を描いたアクション系のFlash動画も人気を集めました。
ゲームのボス戦のような迫力のあるカット割りが特徴で、多くの人が憧れました。
モナー系Flash動画
2ちゃんねる発のキャラクター「モナー」を使ったFlash動画も数多く制作されました。
代表的な作品には以下のようなものがあります。
千葉!滋賀!!佐賀!!!
ラーメンズのコントを題材にした作品で、リズム感が心地よい動画でした。
この中に一人!お前やー!!
コント風の掛け合いが特徴的で、ネットスラングとしても広まりました。
その他の人気Flash動画
Flash動画には他にも多くの名作がありました。
ゴノレゴ(吉野家コピペ)
「そんな事より聞いてくれ、>>1よ。」で始まる2ちゃんねるの有名な書き込みを映像化したもの。
日本のメディア芸術100選にも選出されました。
ペリー来航
歴史上の出来事をユーモラスにアレンジした作品。
巫女みこナース
軽快な音楽とともに楽しめる作品で、当時のインターネットカルチャーを象徴する作品のひとつ。
なつみSTEP!
可愛らしい絵と変な展開。
ある夕食の風景
当時の2ちゃんねる用語がてんこもり。
「夕食ができますた。リビングに集合しる!」「カレーごときで騒ぐ奴は逝ってヨシ」
恥ずかしくて口に出せない言葉ばかりです。
Flash動画の現在
かつて一世を風靡したFlash動画ですが、現在はほとんどのサイトが閉鎖され、当時の作品を目にする機会も減りました。
しかし、インターネットのどこかにはまだ残っているものもあります。
久しぶりに振り返ると、今見ても笑えるものや懐かしい気持ちになる作品がたくさんあります。
もし興味がある方は、当時の名作を探してみてはいかがでしょうか?