「ぼくのなつやすみ」プレステで大人気のゲームです。シリーズになっていて、2~4まで発売されてきました。
現在「ぼくのなつやすみ アプリ版」のリリースも検討されていて、制作陣からちょくちょく情報が漏れてきますが、発売日等の正式発表は未だありません。
さて、この「ぼくのなつやすみ」の無印版には、夢のある(?)バグがあるのです。それが「8月32日が存在した」というもの。実際に、8月32日に行くこともできるのです(方法は後ほど解説)8月32日の世界は、今までの日常とちょっと違う、異変が起こっているのです。
少し不気味だけどちょっと夢もある、そんな『8月32日』バグについて、詳しくご紹介します。
目次
ぼくのなつやすみ『8月32日』バグを見てみよう【永遠の夏休み】
こちらがYoutube上に上がっている8月32日のプレイ動画です。手っ取り早くバグを見たい方は、動画をご覧ください。
8月32日へ行けるのはプレーステーション版のぼくなつのみでして、PSP版では修正されていますので、ご注意ください。
ラジオ体操や昆虫採集、魚釣りといった夏休みの思い出を、子供目線で追体験できる癒し系シリーズとして人気を博しています
「夏休みがこのままずっと続いたらいいのに…」誰もが一度は考えた事があるのではないでしょうか。
それを実現してしまったバグは子供の頃の夢を叶えてくれる素敵さを含むものの、実現したらしたでそこそこ怖い、とネットでもかなりの反響がありました。
- 家からボクくん以外の人間が消えてしまう
- それまで鳴いていたセミの声が一切聞こえなくなる
- 誰もいないはずの場所で声が聞こえる
- 絵日記の内容が支離滅裂に
- メッセージの文字化け
- 家から出られなくなる
- キャラクターのグラフィックがおかしくなり、下半身がないおじさんなどが登場
――上記はほんの一例ですが、とにかく通常のプレイではありえないような現象が多発。
ベッドで寝ればさらに日付を進めることもできますが、33日、34日と進むにつれて怪現象は悪化していき、やがてはボクくん自身のグラフィックもおかしくなって最後にはフリーズしてしまう
実はこれ、8月32日以降も進められるんです。8月と9月の狭間に迷い込んだようで不思議な気持ち。
8月32日
8月32日は、いつもの朝食がありません。この世界では、食事をしなくても生きていけると、そういうことなのでしょうか…?
そして、親族一同の姿が見当たりません。どこかへ連れて行かれたのでしょうか。
少し様子がおかしくて、通常プレイと挙動が違って入れない所が多々あります。
ボクくんの部屋にはとりあえず入れませんでした。また、縁側も開いているのに、出られません。出ようとしても、ボクくんがしゃがむ挙動をするだけで、外へは出られません。
しかし、何度か移動をし、うろうろしていると外へ出られるようになります。部屋にも入れるようになったので、日記を見てみると日付がバグっています。「8月〇日」の日付の部分がごちゃっとなっていますね。
ここで寝ることができるので、セーブをして寝てみます。セーブの画面もぐちゃぐちゃです、不気味。そして無限夏休みが始まるのでした…
8月33日
親戚たちが帰ってきましたが、魑魅魍魎、ゾンビみたい。昨日はどこへ行っていたのでしょうか…。
ボクくんの部屋へ入って日記を見てみると、昨日以上にバグっていました。日記の体を保てていません。
32日と同じように、セーブをして寝てみます。
8月34日
日を経るごとにバグは進行していきます。子供たちは、かすかに人間としての形を残しつつも、ほぼ透明になりました。
でも、朝食はしっかりとるんですね。絵日記は完全に原型をとどめないレベルでバグってました。何にも見えません。
8月35日
8月35日は、色をほとんど失ってますね。透明ではなくなったのですが、肌の色がまるでエイリアンです。
【心霊現象】いないと思ったおじさんが、上半身だけ登場する
おじさんの陶器工場です。おじさんはいませんね。
しかし、おじさんの大切にしている陶器がたくさん置かれている棚を触ろうとすると…
上半身だけのおじさんが登場します。仕事に対する強い思いがあり、それが怨念としてこの世に残ってしまった…そんな妄想すらしてしまいます。
【8月32日への行き方】夏休みの思い出→見えない紐を引くと、8月32日への入り口がある…
夏休みに「8月32日」が存在した、というだけでもかなりワクワクするのですが、このバグへの入り口にもちょっとしたロマンを感じるのです。
それはバグの落ちている場所にあります。「夏休みの思い出」コマンドから、夏休みの日記を見返します。そして、その思い出の日記の右上が選択できるようになっているんです。
どうですか、これ。意味ありげで、少しときめくバグですよね。8月32日以降の世界へ行ってみたい人のために、やり方を解説します。
①タイトル画面で「夏休みの思い出」を選択
②クリア済みのデータをロード、絵日記を見る
③見えないライトの紐を引く
「もどる」にカーソルを合わせて上を押す
何もないところにカーソルが移動したら○ボタン
「絵日記を書いて寝ますか? はい いいえ」の選択肢が出る
「はい」を選ぶと8月32日へ…
思い出から入るっていうのが、なんだかそそられます。やり方自体、結構簡単なので多くのぼくなつファンが8月32日の世界へ行ってみたようです。
移植したPSP版ではできませんので、バグを試してみたい方はプレステ版を手に入れてください。
【8月32日の真実】ぼくなつ製作者ご本人、綾部和さんによる8月32日バグへの言及コメント
ぼくなつプレステ版制作者本人も、8月32日バグについて言及しています。
これは、発売後2年経って判明したバグだそうで、もちろん意図的に作った裏技・裏設定ではありません。
せっかくなので8月32日を発明してしまった責任者としてはその話をしましょうか? …あれはぼくなつ1の発売後2年ほど経過してから発見されたものなんです。
症状を聞いた瞬間「なんてナイスなバグなんだ」と不覚にも思ってしまいましたw その時点では単なる「就寝せずに翌日へ行けるバグ技」です
絵日記画面では就寝時にのみ左上にスタンドのヒモが表示されて、クリックすると絵日記を書いて寝ることができるんです。
ところが発売から2年後にヒモが出てない時でもカーソルがそこに移動でき、クリック可能なことが判明しました。いつでも眠れて翌日へ行けるんですw
夜以外はヒモのグラフィックが表示されていないから、まさかそこにカーソルが移動できて、クリックできるバグが潜んでいるとは誰も思いませんでした。あれはかなりかっちりデバッグしてるゲームなんですw
ゲームのルールを無視していつでも就寝して翌日へ行けるわけですから、シナリオはむちゃくちゃになりますが、ある意味便利でアナーキーなバグなんです。バグの隠れ方も(言ってはまずいかも知れないけど)結構好きでしたw
ところがゲームクリア後の「思い出画面」から「絵日記」に入っても同じことができるんです。
クリア日付が31日だから、翌日になっちゃって32日に行けます。これはまさに想定外の想定外でした。
8月32日なんてデータは用意されていませんから当然むちゃくちゃになりますが、その部分はプログラミングが優秀なので、ドライバーが堅牢で、データが存在しない日時に突入してもボロボロになりながら動いてるんです。ある意味すごいことなんだけど、
さすがにデータがないまま動き続けるのは無理なので、ああいうホラーな見た目になっているんです。
メモリーの狭間にある各種のドライバーにとっては無意味な情報を、無理やり視覚化するとああいうグラフィックになるということですね。
ちなみにこれは(最初の)『ぼくのなつやすみ』PS版で出るバグです。残念ながら移植した『ぼくのなつやすみポータル』では発生しません。おしまい。
というわけで今日は8月32日です。
これが8月32日の真相です。意図的に作ったものでないということが、逆に怖さを倍増させます。自然と生まれてしまった裏設定だったのでした。
ちなみに、このつぶやきを綾部さんがされたのが「2010年9月1日」です。そう、8月32日…。さすがゲームクリエイターさん、どこまでも楽しませてくれます。