学者の茂木健一郎さんは度々、自身のツイッターにて日本の「芸人批判」ツイートをしているます。

海外のコメディアンと比べて、日本の芸人さんはこういうところ「終わっている」という趣旨の発言をしたり、ツイートするごとに必ず大きな話題になってきました。

そういった茂木さんのツイートに対して、もちろん反応するのが日本のお笑い芸人たち。松本人志さんを筆頭に、中田さん、坂上さん、さんまさんが反応して意見を述べたりしました。

我々一般視聴者も、茂木さんの芸人批判ツイートに対して、現役のお笑い芸人たちがどんな反応・反論を示したのか、気になるところです。

茂木健一郎の芸人批判の内容を見てみよう!意外と賛成意見の人も多いらしい?

保守速報さん 【ワイドナショー】松本人志チクリ!、茂木健一郎に「税金どうしてる」 https://t.co/leCtMznNgz pic.twitter.com/NZVpgmYKNi

— Never see you again (@Sayonara_K) 2017年12月24日

これだけ多くの人、大御所を動かした茂木さんの発言。実際に、茂木さんがどんな芸人批判ツイートをしているのか見てみましょう。

トランプやバノンは無茶苦茶だが、SNLを始めとするレイトショーでコメディアンたちが徹底抗戦し、視聴者数もうなぎのぼりの様子に胸が熱くなる。一方、日本のお笑い芸人たちは、上下関係や空気を読んだ笑いに終止し、権力者に批評の目を向けた笑いは皆無。後者が支配する地上波テレビはオワコン。

— 茂木健一郎 (@kenichiromogi) 2017年2月25日

日本の「お笑い芸人」のメジャーだとか、大物とか言われている人たちは、国際水準のコメディアンとはかけ離れているし、本当に「終わっている」。

— 茂木健一郎 (@kenichiromogi) 2017年3月1日

かなり大きな反響があり、いいねもリツイートも1000件を超えています。別番組でも、このようなコメントを残しています。

茂木氏は2月下旬から、ツイッターで日本のテレビやお笑い文化の現状についてたびたび持論を展開。特にお笑いについては米英のコメディーと比較し「政治・社会風刺」的な要素が足りず、多様性がないことを指摘。

「日本の『お笑い芸人』のメジャーだとか、大物とか言われている人たちは、国際水準のコメディアンとはかけ離れているし、本当に『終わっている』」と述べていた。

この日の番組でも、茂木氏は改めて「日本のお笑いは空気を読み過ぎなんじゃないか。大御所が面白いと言うか面白くないと言うかで価値が決まる」と主張。テレビ業界全体についても「日本の地上波テレビはオワコン。

みんなにウケる(地上波テレビが)当たり障りのないことを追求していった結果、相手にされないメディアになってしまったという感じがある」と大衆や権力におもねる傾向を指摘した。

おそらく「笑い」に対する考え方が、人それぞれですから意見も割れるのでしょうが、意外と茂木さんの意見に賛成派の方もいるようで、ツイッターでは大いに盛り上がりました。

とはいっても、やはり茂木さんはお笑いをやっていない人ですから、「人を笑わせてから言え」という意見の方が多かったような印象はします。

情報は発信元の属性によって受け取る側の姿勢が変わっちゃうもの

私はこの茂木さんのご意見、「あなたに言われても…」と思ってしまう派でして、賛成はしかねます。もちろん、好き放題意見を言う自由が個々人にはありますから、発言すること自体は別に構わないと思います。

だから「お前が言うな」とまでは思いません。しかし、説得力は感じられません。全く。

私は、情報というものは発信元次第で重要度が変わると思っていて、この内容をさんまさんやビートたけしさんが発言していた場合は、全く違います。

お笑いに関する意見を、学者の茂木さんが発信していたところで、心には響いてきません。

芸人批判で喧嘩を売られた芸人さん方の反応

さて、こんな風に喧嘩を売られた日本で現在絶賛活躍中のお笑い芸人たちは、どんな反応をしたのでしょうか?

さんまさん、松本人志さん、オリラジ中田さん、坂上忍さん、有吉さんの反応をみてみます。

明石家さんま「こめんとなし」

さすが、本物の大御所となると、「こめんとなし」

きっとこんな論争、「おもしろくない」から参加しなかったのでしょう。芸人と学者が戦っているのを見せられても、視聴者は別におもしろくないし、笑わない。

さんまさんは、度々こういう争いが起こっても、参加するそぶりすら見えません。

明らかに「大御所」にあたる人物ですから、意見を求められることもあるはずでしょうが、それでもやっぱり「明石家さんまのコメント」なんてYahoo!ニュースにのぼることはありませんよね。

オリエンタルラジオ中田は茂木さんに賛成意見「すごくいい発言」「茂木さんの指摘、当たってたのに」

中田さんは2017年4月15日夜に「オリラジ中田、茂木健一郎の『お笑いオワコン論』支持!」とのタイトルでブログを書いた。

茂木さんの「日本のお笑いは空気を読み過ぎなんじゃないか」との発言に「すごくいい発言」と賛意を表明した。

茂木さん負けるな!と思っていたところ、大御所の番組に出演して大御所に面白くないと言われ公開処刑をされてしまいました

「大御所にセンスがないとか価値を決められてしょげ返っている様子こそが茂木さんの意見通りだったのに。茂木さんの指摘、当たってたのに。なんで『ほら、これですよ』と言えなかったのだろう。まあ、あの場では言えないか。怖いですもんね」

中田さんは、ブログにて茂木さんの発言に賛成する意見を述べています。「大御所」の個人名は出していませんが、リンクの貼り方から「ワイドナショー」の出来事であり、「大御所」が松本人志さんを指すことはあきらかです。

そして、松本人志さんに対する皮肉とともに、茂木さんに同情するようなコメント。

松本さんに反論するとは…中田さんも勇気がありますね。ちょっとドキドキするような展開です。

怒りと不快感をあらわにする坂上忍さんのコメント

「政治風刺、政治いじりをする人もいるがそれをすることがクオリティの高い笑いだとも思わない」

「オワコンの意味がわからなかったから凄いイラついた」

「茂木健一郎もテレビに出ていた方なのに仲間や元仲間に対してこの言葉遣いでツイートするのがわからない」

坂上忍さんは、このようにストレートにイラつきと怒りを表現されていました。茂木さんは、普通にテレビ出演もしていて、多くの芸人さんと共演をし、場合によっては”同僚” のような立ち位置で、芸人たちと芸能界に参加してきた人物です。

なのに、こんな発言をするなんて、坂上忍さんは不快感をあらわにしました。

坂上さんは情に厚い人なのでしょう、義理に反することは嫌いなのだと思います。しかし、人間というのは、いざとなったら自分の意見優先ですぐ裏切りますからね、、

「ダサすぎ」と笑い飛ばす有吉弘行さん

「オワコンって使ってるのダサすぎない?」

有吉さんは、ラジオにて茂木さんのこの話題が出てきたときに、ケラケラといつものように軽く笑い飛ばしながら、「オワコンって使ってるのダサすぎない?」とコメント。そして、終了(笑)

有吉さんの精神はタフすぎるので、そうそうなことではまともに取り合わないですよね。どうせ全員しぬんだから、争いは全部くだらない、と思っているような、でもそんなところが他の人にはない有吉さんの魅力だったりもします。

松本人志「全く腹が立たなかった」茂木さんが全然面白くないから…ムカっとも全然こない

【動画】松本人志「茂木健一郎さんは寂しいんですよ。発作みたいなもの」「一緒にご飯行って“節税”の仕方でも聞きますよ」@ワイドナショー https://t.co/gbS5Y1PJYg pic.twitter.com/Yu4pLgz5V6

— 正義の見方 (@honmo_takeshi) 2017年12月24日

19日に放送されたフジテレビ系「ワイドナショー」で、松本さんは「このニュースを見たときに、全然腹立たなかったんですよ。

茂木さんが全然面白くないからなんですね。笑いのセンスが全くないから。

この人に言われても『刺さらねぇぜー』って感じ。ムカっとも全然こない」と述べた。

この放送を見た茂木健一郎さんはこのようにツイート。穏やかな反応ですね。

「ワイドナショー」、松本人志さんの発言の部分、映像で確認しました。私はサンドバッグみたいでしたが、自分のことだ、ということを置けば面白かったです。茂木だけに「M」なのかな。またセンスのない返し、すみません。番組スタッフのみなさま、お疲れ様でした。あと、ドキュメンタル拝見します。

— 茂木健一郎 (@kenichiromogi) 2017年3月19日

翌週、茂木さんはワイドナショーにゲスト出演!松本人志と対談

この翌週に、茂木さんは「ワイドナショー」に出演して、松本さんと共演しテレビ上で討論しています。

元気なさそうに登場してきた茂木さんは、松本さんに

「ずるいわー。自分からサンドバックみたいな顔してるもん」

とか言われつつも、荒れることはなく穏やかに会話は進み、松本さんは一連の騒動を笑いに変えてしまいました。さすが。

松本人志さんがご自身も野球のルールについて批判をしたが、選手の技術とかその人が生業にしているものに対しての批判はしていない」とおっしゃっていました。

さらに松本さんは茂木さんに対して

「日本のお笑いのあそこを突かれると我々はこれで電気・水道・ガスを支払っている、家族をやしなっている、それはちょっと待ってくれとなっちゃう」

それに対して茂木さんはこのようにコメント。

誤解を与えてしまった事が凄く申し訳ない。日本の芸人さんの技術だとかパッションだとかを尊敬している芸人さんが好きなんです。

今回、そこを誤解された事が一番つらかったです。気を付けます。

なんとなく、和解したような感じですね。視聴者も、放送では渦中の2人の対話ですから、ちょっとドキドキしたのではないかなと思います。

和やかに、大人の対応でワイドナショーは終了しました。

なんだ~って感じですが、周りが過熱してしまっただけで、当人たちはそんなに大ごとにするつもりもなかったのかもしれませんね。

多くの芸人からの反論、視聴者からの反論を受けた茂木健一郎は後に釈明

茂木健一郎がこのようなツイートをした理由を2017年3月22日放送の「バイキング」で語っています。

とある番組で、ある若い芸人に海外の社会批評的なお笑いについて聞いたところ「うちはそういうのをやらない」「やりたくない」と否定的な反応をされたのが印象に残っていたからだという。

そうして茂木健一郎は日本のお笑いは好きではあるものの、日本のお笑いは変わっていかないともったいないといった意味の発言だったと釈明。

どばーっと多くの芸能人から反応&反論を貰った茂木さんは、怖気づいたのかもしれません。ワイドナショーにとどまらず、バイキングでもこのような釈明コメントをしていました。

しかし、再び芸人批判ツイートをしてしまう懲りない茂木健一郎氏ww

「時の首相と食事をしてよろこんでいるようなお笑い芸人や、コメンテーターは、別にいてもいいけど、文化にはあまり貢献しないと思う。そういう人たちは、忖度のエンジェルに過ぎないから。それは、公共の電波でやるコメディではありません。」

Twitter(12月7日)茂木健一郎@kenichiromogi

なんと、あれで懲りたのかと思いきや、また芸人批判ツイートをしてしまう茂木健一郎さんなのでありました。松本さんも頭を抱えておりましたww

今度のツイートは、遠回しに攻撃していて、まるで女子の権力争いみたいなツイートです。情けなさにちょっと笑ってしまいました。

名前を出しているわけではありませんが、ここで言われている「お笑い芸人や、コメンテーター」が誰を指しているのかは、調べればすぐに分かります。

このとき会食に参加したと伝えられたのは、松本さんのほか、お笑い芸人の東野幸治さん(50)、社会学者の古市憲寿さん(32)、HKT48の指原莉乃さん(25)

安倍首相がゲスト出演したこともある情報番組「ワイドナショー」(フジテレビ系)でお馴染みのメンバーだ。

ぼくのツイートは、松本人志さんや、古市憲寿さんを批判しているわけではありません。むしろ、エールです。私の批判は、常にシステムや、マインドセット、思想に向けられていて、ひとりの人間という存在に対しては常にあたたかい気持ちしかありません。それが安部さんでも、トランプさんでも。

Twitter(12月18日)茂木健一郎@kenichiromogi

また、松本人志さんに喧嘩を売っているww むしろ好きなのかな、かまって欲しいのかなと思ってしまうレベルですが、また同じ人に吹っ掛ける茂木健一郎さんなのでした。

前回、「気を付けます」とコメントを締めくくっていたはずなのですが…。人間、時間が経つと忘れてしまうのでしょうか、いくら脳に詳しい学者さんでも。

「このツイートについては、反省も謝罪もするつもりはありません」

ちなみに茂木さんは、こう付け加え、今回の意見については曲げるつもりがないようです。

「THE MANZAI」のウーマンラッシュアワーをすばらしい!と絶賛する茂木健一郎から分かること

原発問題や沖縄の米軍基地問題に鋭く切り込んだネタについて、「ウーマンラッシュアワー、がんばったんだなあ」と一言。

「日本のコメディが変わるきっかけになれば。放送してくださったテレビ局の方々にも、心からの敬意と感謝を捧げま」す」

ウーマンラッシュアワーのような笑いを応援してください。お願いします。日本の未来を開く」

おそらく茂木さんは、”お笑いは権力に媚びずに風刺をするもの。権力に逆らう芸人が、文化の発展に貢献する” というご意見をお持ちなのだと思います。

だから、冒頭の最初のツイートのような芸人批判をしたり、安倍総理と会食した芸能人たちを批判したりしたのだと思います。

この点については、茂木さんの意見は一貫しています。

だとすれば、ワイドナショーで松本さんに媚びるような姿勢は見せない方が良かったんじゃないかなとも思います。あのときは、多くの人に批判されて、少し心が弱ってしまったのかもしれません。

しかし、学者という立場で現在の「お笑い界」という大きな世界に切り込んでいくのであれば、生半可に折れてはいけないでしょう。

「笑い」に対して求めているものが、他の人とは異なっているように思います。でもそれならそれで、しっかり意見を貫かないと、伝わるものも伝わりません。

茂木さんは漫才を『笑いの視点』からではなく『日本を変える為に!』という視点から見ている気がしますね。

芸人やコメンテーターが政治に対して批判しなくては誰が批判するんだ!のような考えなんですね。笑いは二の次。もしくは風刺こそが笑いだ!それ以外は笑いではない。

そう考えると全く芸人をリスペクトしてい無い気がします。でも、それはそれで茂木さんの考えなので良いと思います。

茂木さんは、一般人よりも頭が良いですし、見えている世界も違うでしょう。だからこそ、一般の人には理解できないような発言になってしまうのかもしれません。

自分の知能が足りないからその意見を理解できないんだ、という事実は、勉強を疎かにしてきた頭のレベルが劣っている市民本人自身は気が付きません。

人間は誰しも自分が賢いと思いたがるので、自分の不勉強を棚に上げて、意味が分からないと言って相手の意見を攻撃することがあります。

それでも、世論を動かしたいと思うのならば、折れずに発言を繰り返したり、説明する努力をしなければなりません。そして、それが社会における学者の役割の一つなのかもしれません。

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